• 記録集『セントラル劇場でみた一本の映画』

    映画館の「記録」と

    観客たちの「記憶」をつなぐ

    2018年に閉館した仙台の映画館「セントラル劇場」にかつて通った33名によるエッセイ+上映作品リストをまとめた小規模出版(リトルプレス)。


    およそ40年分にわたる上映作品のリストから、執筆者それぞれが「一本の映画」を選び、映画館の「記録」と観客たちの「記憶」を、文章を通じてつないでいきます。

    具体的な映画作品をよりどころに、どこかほかの土地の映画館の暗闇とも接続していくようなエッセイ集です。
     

    写真家・志賀理江子撮影のポスターつき。

    500部限定。2,000円+税。

    (2020年4月14日追記)

    版元在庫は完売しました。増刷の予定はありません。

    収益はミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金に寄付しました。執筆者のみなさんと、本を読んでくださったみなさまに感謝いたします。

    全国の映画館でまた映画が安全に見られる日が、1日でも早く来ることを願っています。

    https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid

  • 写真家・志賀理江子撮影のポスター

    写真家・志賀理江子がセントラル劇場閉館の日に撮影した写真が、ポスターとして付属。帯のように本に巻かれています。

  • 取り扱い書店

     

    (宮城)

    ・あゆみBOOKS仙台一番町店(売り切れ)

    ・カネイリ ミュージアムショップ6

    ・喫茶ホルン

    ・金港堂 本店(売り切れ)

    ・book cafe 火星の庭(売り切れ)

    ・ボタン

    ・古本あらえみし

    曲線

     

    (青森)

    ・八戸ブックセンター

     

    (岩手)

    ・BOOK NERD

     

    (新潟)

    ・BOOKS f3

     

    (富山)

    ・古本ブックエンド

     

    (東京)

    ・SUNNY BOY BOOKS

    ・農業書センター

    ポポタム

    ・古書ほうろう

    ・SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS

    ・コ本や

    ・スパイスカレー ウィーランド(不定期)

     

    (名古屋)

    ・ON READING

     

    (静岡)

    ・BOOKS AND PRINTS

     

    (京都)

    ・CAVA BOOKS

    ・誠光社

     

    (大阪)

    ・Calo Bookshop &Cafe

    ・toi books

    千鳥文化商店

     

    (熊本)

    ・橙書店

     

    (全国各地)

    ・移動本屋 ペンギン文庫

  • 執筆者・作品一覧

    1979年12月15日より公開

    『チャンプ』

    今野正広(自主上映会「のんき館」スタッフ)

     

    1985年7月20日より公開

    『ストリート・オブ・ファイヤー』

    安孫子秀実(セントラル劇場元スタッフ)

     

    1988年7月23日より公開

    『ウィロー』

    守屋文雄(脚本家/映画監督)

     

    1988年7月23日より公開

    『ウィロー』

    水澤紳吾(俳優)

     

    1992年4月28日より公開

    『フィッシャー・キング』

    伊坂幸太郎(小説家)

     

    1993年7月4日より公開

    『お引越し』

    熊谷睦子(映画配給宣伝)

     

    1997年10月4日より公開  

    『トレインスポッティング』

    及川壮也(会社員)

     

    2000年2月5日上映

    『盲獣』

    平吹雅浩/ひらぶき雅浩(カケダシ漫画家)

     

    2001年4月28日より公開  

    『ギャラクシー・クエスト』

    菅原睦子(仙台短篇映画祭ならびに幕の人スタッフ+α)

     

    2001年9月15日上映

    『パーマネント・ブルー 真夏の恋』

    小野寺勉(仙台セントラル劇場代表)

     

    2001年10月27日上映

    『月とキャベツ』

    梅津文代(Kappo編集長)

     

    2003年11月22日上映  

    『その人は昔』

    福原悠介(映像作家)

     

    2006年9月15日より公開  

    『世界』

    角田真由美(会社員)

     

    2007年10月27日より公開  

    『旅芸人の記録』

    奥山恵美子(前仙台市長)

     

    2009年10月3日より公開  

    『美代子阿佐ヶ谷気分』

    前野久美子(「book cafe火星の庭」店主)

     

    2009年11月21日より公開

    『黒蜥蜴』

    MEME(労働者)

     

    2010年1月23日より公開

    『アバンチュールはパリで』

    吉田文恵(事務員)

     

    2011年11月20日より公開  

    『ミツバチのささやき』

    岡本想太郎(学芸員)

     

    2012年5月26日より公開  

    『ル・アーヴルの靴みがき』

    佐伯一麦(小説家)

     

    2012年6月9日より公開

    『二十四の瞳』

    村田怜央(映写技師)

     

    2012年8月5日より公開  

    『果てなき路』

    相原洋(映像制作)

     

    2012年9月12日より公開

    『愛の残像』

    濱口竜介(映画監督)

     

    2012年11月2日より公開  

    『アンダーグラウンド』

    中畑拓((有)桜ヶ丘フラワー 生花装飾技能士)

     

    2013年8月17日より公開

    『三姉妹 雲南の子』

    遠藤瑞知(仙台セントラルホール支配人/映画コメンテーター)

     

    2014年12月13日より公開

    『収容病棟』

    いがらしみきお(漫画家)

     

    2014年12月13日より公開

    『収容病棟』

    小林恵里(英語教師、ときどきカレー販売)

     

    2014年12月13日より公開

    『収容病棟』

    澁谷浩次(喫茶ホルン店主)

     

    2015年6月6日上映

    『Rocks Off』

    小川直人(学芸員)

     

    2015年8月1日より公開

    『イマジン』

    菅原匠子(書店員)

     

    2016年8月13日より公開

    『シアター・プノンペン』

    田村圭子(動物園職員/ときどき編集&モノ書き)

     

    2017年10月8日より公開

    『50年後のボクたちは』

    池田順子(ショートピース! 仙台短篇映画祭元スタッフ)

     

    2017年12月8日より公開  

    『地獄愛』

    小池みなみ(大学生・劇場アルバイト)

     

    2018年6月30日上映 

    『弥太郎笠』

    クマガイコウキ(映像作家)

  • メディア掲載・出演情報

     

    【新聞】
    ・朝日新聞 2019年5月22日 朝刊
    宮城)映画館「セントラルホール」の思い出、1冊に
    https://digital.asahi.com/articles/ASM5K6HS1M5KUNHB00Z.html

    ・河北新報 2019年5月28日 朝刊
    仙台「セントラル劇場」つなぐ記憶

    ・河北新報 2019年6月16日 朝刊
    とうほく本の散歩道 205 セントラルで見た 思い出の映画館つづる
    編集者・文芸評論家 小林直之

     

    【雑誌】
    ・Kappo(2019年5月号)
    ・りらく(2019年7月号)
    ・映画秘宝(2019年8月号)
    ・地域人(第47号)

    ・月間ウィンド(2019年8月号)

     

    【ラジオ】

    ・2019年7月4日

    Date fm「Morning Bursh」BOOK reseach

    http://www.datefm.jp/sys_data/articles/641200004556.html

    ・2019年7月12日

    ラジオ3 OTO Radio

    https://www.mixcloud.com/otoradio/oto-radio-a-movie-i-saw-at-sendai_central-aired-07122019/

     

    【トーク】
    ・2019年5月3日 ブックデイとやま (富山)

    「映画館が閉じて、本ができるまで」
    ・2019年6月15日 BOOKS f3(新潟)

    「場、ものが持つちから」
    ・2019年7月6日 千鳥商店(大阪)

    「イチから考える記録/メディア」

    ・2019年8月12日 BOOK NERD(盛岡)

    「それぞれの映画館・体験と記録」

    ・2019年9月13日 曲線(仙台)

    「本をつくる/本屋をひらく」

    ・2019年10月11日 ミュージアムトークテラス第2回(仙台)

    「セントラル劇場から考えた「記録」と「場所」」

    ・2019年10月25日 6LABO vol.52(仙台)

    「インデペンデントな書籍をデザインする」

  • 編集後記

     六年前、祖母が亡くなりました。小さな猿のような女性でした。遺品整理をしていたら、古い日記が出てきました。パラパラとめくってみると、祖父と結婚する前、祖母がまだ十代のころのものでした。他愛のない兄弟喧嘩のことや、就職したときの苦労話などが書いてありました。
     なにげなく読み進めていると、ある日の日記に、友人と街へ遊びに行くくだりが出てきました。一九五〇年九月三日、そこに祖母は「午後から『宗方姉妹』映畫をみに行く」と書いていました。わたしはその文章を読んだ時、軽い目眩のような感覚をおぼえました。
     『宗方姉妹』は小津安二郎監督の作品で、わたしも前に見たことがありました。小津のなかでも特に好きな一本です。同じ映画を、若い頃の祖母も見ていた。「為になるまなぶ映畫でした」という感想も書いてありました。
     それを読んだとき、遠い点でしかなかった祖母の生きたむかしが、わたしのすぐ横で立ちあがったように感じました。日記の過去と現在のわたしが、『宗方姉妹』の上映された時間を中心に、ひとつ上の次元で折りたたまれ、くっついたような感覚でした。日記に書かれていたことの意味も、それまでとはまるっきり変わって見えました。
     「セントラル劇場でみた一本の映画」は、そんな些細な体験をきっかけに作られました。あらゆる場所で何度でも繰り返される映画の時間に、人びとの記憶が襞(ひだ)のように織りたたまれて、また未来に開いていく。「セントラル」の記録がそんな本になっていれば、これほどうれしいことはありません。

    (福原悠介)

     2018年6月12日にセントラルの閉館が公になってから、僕のまわりではそのことがちょっとした話題になっていました。なんとか映画館を存続できないものか? あの壁紙のサインはどうなるのか? などなど、聞こえてくるたくさんの声は、かつてスタッフとして劇場にお世話になっていた僕にとっても他人事ではなく、思い出と恩のある劇場に何か返せないものかと頭を悩ませていましたが、色々考えても良いアイデアは浮かばず、とりあえず記録映像の撮影をしに劇場に通うことにしました。ところが心拍数を上げつつ向かったそこには拍子抜けするほどいつも通りのセントラルがあり、周りで騒いでいる僕らの方が滑稽に見えるような気がして、でもなんだか妙に納得した気分になり、あぁ、そうだセントラルってこういうことだなと改めて思うと、焦る気持ちは消えていきました。
     それから友人の福原さんと相談し、「セントラルとはなんなのか?」を考えました。橋本忍が言うところの、牛の生血をとってくるということなのですが、僕らの出した結論は、掛かっていた映画とそこに集まる人びとでした。
     そんな経緯で制作がはじまった本書ですが、ど素人の僕らは多くの人に助けられ、ようやくこのような形になりました。エッセイを寄稿していただいたみなさま、編集・発行に協力いただいたみなさまにここでお礼を申し上げます。本当にありがとうございます。また、今回原稿の依頼は叶いませんでしたが、セントラルに足を運んでいただいた多くのみなさま、これまで劇場に関わった全ての人たちに感謝します。
     そして最後に劇場代表の小野寺さん、約40年の興行おつかれ様です。仙台の街にセントラルがあって本当によかった!
    (村田怜央)